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管理組合の役員になって手取り家賃収入を上げよう!

区分所有マンションを取得すると、輪番制などマンションの規約により役員※になることを要求されることがあります。
※管理組合の執行機関である理事会を構成する理事長、副理事長、理事及び監査役の幹事をいう。

役員になると理事会などで時間を拘束される上、面倒な責任を負わされるのでなるべくやりたくない、と思う人が多いかもしれません。

確かに理事長ともなると区分所有法上の管理者となり、その責任の重さは増します。区分所有法は罰則規定も設けているので、いい加減なことをやっていると責任を追及される可能性もあります。

ですが、自主管理ならともかく通常は管理会社が管理組合の運営をサポートしますので、常識的な判断が出来れば実務はそれほど難しいものではありません。

そこで、マンションを買って区分所有者になったら、管理組合の役員(出来れば理事長)になって手取りの家賃収入を上げてみよう! という話をしたいと思います。

その方法ですが、まず、役員になったら頃合いを見計らって「管理費の見直しをしたい」と提案して下さい。

理由は「不要な(又は行き過ぎた)管理業務がないか再度点検したい、また必要な業務でも費用が相場より高くないか確認したい」みたいな感じで良いです。(実際これは管理組合の運営にとって非常に良いことです!)

次に、現行の管理項目(管理会社との委託契約書に載っています)を基準に、複数のマンション管理会社に見積り依頼をします。依頼先の管理会社は他の理事とも協議して選定して下さい。

見積りを依頼する際、依頼先の管理会社には「不要な(又は行き過ぎた)管理業務があれば見積りから省いて欲しい」と伝えて下さい。

その結果、例えば「定期清掃は現行仕様は年4回実施となってますが、年3回で問題ないです」とか、「雑排水管清掃も現行は毎年実施ですが、隔年実施にして費用を抑える代わりに入居者に周知を徹底して実施率を上げましょう」等、何かしらの提案が見積り先より出てくるかも知れません。

そうして出揃った見積りを基に、現行の管理会社に管理費の値下げを要求します。

例えばこんな感じです。

理事になったあなた:「A社から提出された見積りでは消防設備点検は年2回実施で70,000円になってるんですけど、現行は95,000円なので減額して同額にしてもらえませんか?」

現行の管理会社:「・・・畏まりました。検討させて頂きます」

現行の管理会社は管理委託契約が解約になることだけは避けたいので、上記のようなケースではまず間違いなく金額を下げて合わせてくると思います。

そうなれば成功です。管理の仕様を変更しないで管理費を減額できるからです。

たかだか数万円かと思わないで下さい。上記の例では年間25,000円の減額ですが、これが例えば管理人業務のような月額金額の大きい管理項目だと、月額3万〜4万の減額ということもあり得ます。

たとえ話ばかりですが、諸々頑張って月額3万円、年間で36万円の管理費が削減できたとしましょう。

このマンションの戸数が30戸だとすると、36万円÷30戸で月額12,000円の管理費減額となります。言い換えると、毎月の手取り家賃収入が12,000円増えるのです。

今の賃貸は借り手市場ですから、解約防止などの理由で家賃を減額することはあっても、値上げするというのはたとえ1,000円であってもかなり難しいものです。うかつに値上げ交渉の打診をしようものなら、気分を悪くした賃借人に退去されるかもしれません。

そう考えれば、本稿のスキームは手取りの家賃収入を上げるのに効果的で現実的な選択肢と言えます。


尚、現行の管理会社の対応が悪い等、現行の管理会社に対して不満を持つ区分所有者が多い場合、見積りを取得した管理会社のいずれかに委託先を変更するということも当然アリです。

また余談ですが、最近では役員のなり手不足を解消する手段として役員報酬を支払う管理組合も増えています。

理事長には月額7,000円、その他の役員には月額5,000円の役員報酬を支払う、みたいな感じです。これは役員である限り毎月確実に得られる収入で、滞納リスクのある家賃よりも手堅いので、まだ役員報酬の定めがないマンションであればぜひ導入する提案をしてみて下さい。

冒頭でも触れましたが、管理組合の役員になってマンションの維持、管理、運営を担うことはそれなりの責任を伴うものの、常識的な判断が出来れば決して難しいことではありません。

実際私も所有している東京都清瀬市のマンションの役員を購入時からずっと続けていますが、自主管理ということもあって、発生した問題を他の理事と共有して解決していく過程でとても良い経験をさせてもらっています。

ちなみに私は役員として本稿のように管理費の改定もしましたし、就任当時はなかった役員報酬の規定も設けました。

皆様も是非チャレンジしてみて下さい!

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