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物件購入の手順

忙しいサラリーマンにとって、ムリなく効率的に物件情報を入手するには専門の検索サイトを利用するのが1番です。私自身、これまで購入した3物件とも専用の検索サイトで見つけました。

私がよく利用するサイトは健美家です。利点は操作がしやすく見やすいところで、特に総戸数の多い順に物件を並び替えられるのは嬉しいです。

月額の管理費・修繕積立金は、総戸数が多いほど安くなる傾向にあり、逆に少ないほど高くなる傾向にあります。なので総戸数はその物件の将来的な収益性を判断する材料になるのです。

もう一つ利用するサイトは楽待です。楽待は掲載物件数が多く、やはり操作性と見やすさに優れています。

これら自分の気に入った専門の検索サイトを、例えば昼休みや移動時間や就寝前のちょっとした時間にチェックするだけで、十分に目的の物件を探せると思います。購入したい物件の基準が決まっていれば、絞り込み検索を掛けて物件情報をチェックできるので時短になります。

また、専門の検索サイトに掲載されている物件にメールで問い合わせをすれば、掲載元の不動産仲介業者より、営業の一環でその後定期的に物件情報がメールで届くようになることがあるので、これも情報収集の一つの方法です。



自分の購入基準をクリアした物件が見つかったら、まずはメールで以下の問い合わせをします。

物件価格については買付けの際指値を入れるという前提で考え、この段階ではある程度予算と離れていてもあまり気にしなくていいと思います。買付けの際、納得がいくところまで値段が下がらなければ、ムリして買わずにその時点で購入を見送ればいいんですから。

メールでの問い合わせの際、最初からあまり細かく質問し過ぎると仲介業者の担当者に面倒くさい客だと敬遠される場合があるので、幾つかに絞り込んで質問します。

Q1.直近で実施した大規模修繕工事の内容は? 次回の大規模修繕工事の実施時期は?

直近の大規模修繕工事の内容は、どれくらい先にどんな内容の工事が必要になるかを判断するのに重要です。なので、ある程度具体的に、例えば屋上防水工事、外壁塗装工事、給水ポンプユニット交換工事、排水管更生工事等々、実施した工事の内容とその時期を把握するようにしましょう。

併せて次回の大規模修繕工事の実施時期を聞き出します。これは対象マンションの長期修繕計画書を見てもらえばすぐ分かるはずです。



Q2.修繕積立金の総額は? 管理費及び修繕積立金が値上がりする予定がないか?

修繕積立金の積立総額は決算書に載っています。また念のため管理費・修繕積立金が値上げになる予定がないか確認しておきます。

仮に修繕積立金の積立総額が1,000万円で、次回の大規模修繕工事が8年後だとします。購入を検討しているマンションの総戸数が30戸で、月額の修繕積立金が1万円だとしたらどうでしょうか?

大規模修繕工事は概算で戸当たり100万円程度の修繕積立金が必要となりますので、30戸だと3,000万円必要です。

つまり8年後までに最低でもあと2,000万円積み立てる必要がありますが、月額の修繕積立金が戸当たり1万円ですから、マンション全体では月額30万円の積立となり、30万円×96ヶ月(8年間)で2,880万円が次回の大規模修繕工事までに積み立てられる計算となります。

元々1,000万円の積立がありますから、合計で3,880万円となり、少なくとも次回の大規模修繕工事にはある程度余裕を持って臨める計算が立ちます。

逆に次回の大規模修繕工事に修繕積立金が不足する計算になる場合、近い将来月額の修繕積立金が値上げになったり、あるいは大規模修繕工事の際別途追加負担金を求められる可能性があるので注意が必要です。



Q3.賃借人の属性・素行は?(性別、年齢、仕事の内容、入居期間、家賃の支払い状況、揉めてることがないか)

実際に入居している賃借人がどんな人か確認をします。

仕事の内容は、会社勤めの人であれば業種くらいまでは知りたいものです。部屋を借りるときは正社員で働いていたけど、今は辞めてフリーターです、みたいな人がたまにいるので念のためチェックです。

家賃の支払いについては、契約上の支払い期限までに毎月しっかり支払う人かどうかが重要です。

一般的な毎月月末までに翌月分の賃料を振り込む契約で、月末までに振り込まず、翌月の10日とか15日とかに遅れて振り込んでくる賃借人がいます。

こういう期限にルーズな賃借人は、私も長年賃貸管理業務に携わってきましたが、何度注意しても最後まで改善しない人が多いです。そして中には徐々に延滞期間が長くなって、やがて1ヶ月2ヶ月と滞納する人もいます。

滞納はこじれると面倒です。

家賃が払えないのに任意で退去に応じてくれない場合、法的手段を取りますが、時間とお金を掛けてようやく追い出しても、裁判費用はおろか滞納賃料も回収出来ないことがほとんどです。貸主の損失は非常に大きくなります。

ですから、仲介業者の「大丈夫です。こちらの借主さんは今まで1度も滞納してないそうです」という返事を鵜呑みにせず、契約上の支払い期限までに毎月しっかり支払ってる賃借人かどうか確認してもらうようにしましょう。

支払期限をしっかり守ってる賃借人であれば、私の経験上、滞納のリスクはほとんどないです。



上記の仲介業者に対する質問の回答に納得出来たら、購入を検討しているマンションを実際に見に行きます。その際のチェックポイントを以下にまとめます。

CHECK1.マンション共用部の状態

エントランス、集合ポスト、ゴミ集積場、廊下、エレベーターの中、駐輪場などの共用部をよく見て下さい。例えばゴミ集積場にゴミが散乱していないか、とか、廊下に私物が置かれていないか、とか、駐輪場に捨て置かれたような放置自転車がないか等です。

これらは、現行の管理会社の管理の質を見る上で重要です。気になることがあれば、内容を控えておいて購入後に直接その管理会社に改善を要求しましょう。

マンション共用部の管理状態が悪いと、賃借人に気持ち良く住んでもらえません。賃借人に居心地良く少しでも長く住んでもらうことが不動産投資の安定につながるのです。



CHECK2.賃借人の素行

購入を検討しているマンションに賃借人が入居している場合、その素行を確認します。

確認するのはまず集合ポストの該当箇所です。購入を考えている部屋番号のポストに、郵便物が大量に詰め込まれていないかチェックです。

中が一杯で投函口から郵便物が飛び出しているようなポストの賃借人は、私の経験上だらしがない人が多いです。だらしがないので期日に対する意識も低く、例えば家賃を滞納する危険性があると考えます。

オートロックがなければ対象の部屋の前まで行って下さい。玄関前や廊下に私物を出して置いたりしていませんか?

見えるところに置いてなくても、たまに玄関ドア横のパイプスペースの中に私物を詰め込んでいる賃借人がいますので、大丈夫そうだったら念のためパイプスペースを開けて確認してみて下さい。そんなところに勝手に私物を入れたりする賃借人は、ちょっと非常識かなと考えます。

次は日当たりを確認する意味でも外から対象の部屋のバルコニーを見て下さい。少し離れた位置から見ることが出来れば、ある程度の階まではバルコニーに大きな私物を置いているかどうか確認することが出来ます。

程度にもよりますが、避難経路でもあるバルコニーに大きな私物を置くような賃借人も、ちょっと首を傾げたくなります。

賃借人の素行は仲介業者を通じて確認しますが、仮にその回答に問題なくても、実際自分の目でチェックした賃借人の素行があまりにも酷いようであれば、購入を見送ることも大切です。



CHECK3.周辺環境

周辺環境はグーグルマップ等で予め確認した上で、実際に自分の足でも見て回ります。

皆さんは単身者向けの区分所有マンションを購入するわけですから、単身者にとって便利な店舗や施設が周辺にあるかどうかをチェックします。

具体的には、女性の一人暮らしも想定して、最寄り駅から対象マンションまでの道が、ある程度人通りがあって夜道でも安全かどうか、加えてその途中にスーパーやコンビニ、ドラッグストア等の仕事帰りに気軽に立ち寄れるお店があるかどうかをチェックします。

とりわけスーパーは夜何時まで営業してるか確認して下さい。理想は24時間営業ですが、食料品売り場が終電くらいまで営業してくれると単身者には非常に便利です。

それからファミレス、DVDレンタルショップ、クリーニング店、コインランドリー、100円ショップ、図書館なども単身者の利用頻度が高いので対象マンションから徒歩圏にあるとなお良いです。



購入を検討しているマンションを自分の目で見て納得できたら、いよいよ買付けを入れます。

買付けまでいろいろと確認することがありますが、安い買い物じゃないですし、不動産投資を成功させるためにも、しっかりと自分の購入基準に照らして検討し、納得してから買付けを入れます。

買付けを入れる前に、金融機関から借りる予定の金額を仲介業者に伝え、仲介業者と提携している金融機関の大体の金利を教えてもらいましょう。

仲介業者に連絡して、マンションを購入したい旨を伝えます。幾らで買付けを入れるかは、別のページでも触れましたが、毎月のキャッシュフローが最低でもプラス15,000円以上になるよう計算して決めるようにして下さい。そのための計算式を念のためもう一度書いておきます。

家賃収入−(管理費・修繕積立金+固都税+ローン返済額)=15,000円以上
※すべて月額で計算

指値で買えるかどうかは買付けを入れてみないと分かりませんが、買えたらラッキーくらいの気軽な気持ちで交渉しましょう。



買付けに対して売主が合意したら、売買契約と決済に向かって話が進みます。契約はローン条項※が付きますので、金融機関の審査も同時並行で行います。
※融資が受けられない場合契約が白紙に戻り、買主が支払った手数料等が全額返金される特約のこと。

マンション取得まで、売買契約、金銭消費貸借契約、残金決済の順で進んでいきますが、その都度仲介業者から必要な連絡がありますので、お任せで大丈夫です。

無事に引き渡しが終わり晴れてマンションオーナーとなっても気を抜きません。むしろ不動産投資はここからが大事です。

次のステップでは、実質利回りを上げるため自分で賃貸管理を行う方法を公開します。

テナントリテンション


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