不動産投資コラム > コロナウイルスと不動産投資
経済活動の解禁によって新型コロナウイルスの第二波が全国的に拡がっている2020年8月上旬、コロナ禍における不動産投資について考えてみました。
コロナショックは日本経済に大きなダメージを与え、先の見えない不安感が日本列島を包み込んでいます。
内需が減退し、給料が減る人や雇止めで失職する人が増え、まだ直接的な影響がない人達も不安に駆られ、給与以外の収入の柱を作りたいと不動産投資セミナーに参加する人達が増えています。
私は都内の賃貸管理会社に勤務していますが、なるほど確かに賃貸住宅に関して言えばコロナの影響はほとんど受けていません。やはりどんな状況になっても部屋を探す人はいるんだなというのが正直な実感です。
住宅の賃貸経営は不況や未曾有の危機にも免疫を持っていることが分かりました。
対して事務所や店舗はコロナに対して賃貸経営上の脆弱さを露呈しました。
テレワークで問題なかった企業は経費削減で事務所を解約する動きが出ており、店舗(特に居酒屋、カラオケ、スポーツジム等)は客足が途絶え、大手でも貸主に対して執拗な賃料減額交渉を続けています。ただし一定期間賃料が減額になったとしても客足が戻らなければ最終的に店舗を閉めざるを得ません。
事務所や店舗は今後空室率が上昇し、それに従って賃料も下がっていくでしょう。
さてコロナ禍における不動産投資ですが、購入基準を見直しても良さそうです。
例えば駅近志向で敬遠されてきた郊外の住宅は面白いと思います。
コロナが落ち着いた後も、大手企業を中心に一定規模の会社員はテレワークを続ける可能性が高く、そうなるとインターネット環境が良くて仕事をするリビングダイニングが広ければ、毎日通勤する必要がない訳ですから、賃料の安い郊外物件に需要が出てくるはずです。
郊外でもネットスーパーの宅配エリアであれば生活必需品は手に入りますし、近所に公園でもあれば仕事の合間に散歩やジョギングをしてコロナ太りも回避できます。
例えばマリンスポーツが好きな人は、海まで歩いて行ける物件に引っ越しても仕事と趣味が両立するのです。
コロナ禍で日常生活の定義が変わっていくなか、不動産投資の対象物件も見直す必要がありそうです。