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現金で買うか? ローンで買うか?

投資目的で不動産を購入する際、現金で買った方が得かローンで買った方が得か考えたことはありますか?

例えば貯金が300万あったとして、1,000万のマンションを700万借りて買うか、10年後に全額現金で買うか、という比較です。

今の市況を踏まえてシュミレーションしてみましょう!

まず費用(支出)です。

ローンで買った場合、固定金利1.7%※で10年間の返済総額(元利均等返済)は7,616,760円となります。
※日本政策金融公庫で借入した場合を想定。

この借入れケースの場合、図-1の通り毎月の返済額は63,473円になります。



次に、この物件の表面利回りが11%〜15%だった場合で、各利回りの収支を図-2で見ていきます。



管理費・修繕積立金の月額を20,000円、固定資産税・都市計画税の月額換算を2,500円に設定し、それらを月額賃料より差し引くと月額の手取り金額が出ます。

私は手取りのキャッシュフローが月額プラス15,000円以上になるマンション投資を推奨していますので、本シュミレーションの場合、表面利回りが13%以上ないと投資としては不適切となります。

次に10年間の総額の手取りを見ていきます。10年間不動産投資をしているとそれは色々あります。色々ある分経費がかさみます。

まず退去に伴う原状回復工事費用です。本シュミレーションでは10年間で合計3回退去すると想定し、1回につき30万円の原状回復費用で90万円を経費でみています。90万円にはエアコンや給湯器等の付帯設備の更新も含めています。

当然退去後の空室期間は賃料が入りませんのでその分を差し引きます。1回の退去ごとに2ヶ月間の空室期間が発生するとして3回で6ヶ月分の賃料を差し引きます。

また退去後の新規入居者募集については、早期成約のため募集広告料を1回につき2ヶ月分みています。退去は10年間で3回見込んでいますので、合計で賃料の6ヶ月分が経費となります。

そうすると10年間総額の実質の手取りは、表面利回り13%で買わないと赤字になることが図-2で分かります。

結論。利回り次第(笑)。

利回りが良ければ、ローンを組んで買っても10年トータルで十分利益が見込めます。

尚、本シュミレーションでは日本政策金融公庫で借入しているため低金利ですが返済期間が短く月額の返済額が大きくなります。

つまり11年目以降は図-1の月額の返済額63,473円が返済不要で全額プラスのキャッシュフローになるため、月額の手取りは大きく改善します。

その分を見越して、「最初の10年間のキャッシュフローは悪くても仕方ない、11年目以降に挽回できるから利回りは多少悪いけど購入しよう」という判断も出来なくはないです。

ですが不動投資は何が起こるか分かりません。

今回のシュミレーションでは10年間限定での収支比較のため経年に伴う賃料の下落は考慮していませんが、本来はそれも考慮しなければなりません。また区分所有マンションですと、管理組合に支払う管理費や修繕積立金の値上がりも想定しなければなりません。

他にもリスクはありますが、いずれにしても起こり得るリスクに備えるため、私個人的には月額のキャッシュフローがプラス15,000円以上になる利回りで購入するこをお勧め致します。

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