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自主管理のススメ<敷金精算編>

オーナー自身で自主管理シリーズ第4弾は退去時の敷金精算業務です。

敷金精算と聞くと何となく法律も絡んでややこしそうな印象を受けますが、大丈夫です。

確かに賃貸トラブルでダントツに多いのは敷金精算(退去時の原状回復工事の費用負担で揉める)なのですが、 今は昔と違って国土交通省のガイドラインという明確な基準がありますので、それに従って判断するだけです。

原状回復に関する国土交通省のガイドラインに書いてありますが、 簡単に言うと、賃借人に負担をお願いできる原状回復の内容は、賃借人の故意過失や誤った使用方法による汚損破損の復旧のみとなります。

それ以外は原則賃借人に費用請求することは出来ない、というのが国の考え方です。

例外は賃貸借契約で特約条項を設けた場合です。代表的な特約条項はルームクリーニング特約です。

ルームクリーニング特約は、退去時(又は入居時)に、賃借人がルームクリーニング費用を負担しなければならないと予め約定した場合に認められます。

またその場合でも、相場的に妥当なルームクリーニング費用の金額を具体的に契約書と重要事項説明書に明記する必要があります。

例えば、「乙(借主)は、本物件を退去する際、ルームクーリング費用(エアコンの内部洗浄を含む)として、40,000円(税別)を支払うものとする」といった具合です。

それからもう一つ、退去後の原状回復工事代金を確保する方法として敷金償却があります。

契約条件に敷金を設定できる場合、もっとも抵抗なく確実に原状回復工事代金を確保できる方法として、 私は個人的にこの敷金償却をお勧めしています。

その有効性を争った最高裁の判決でも敷金償却は認められていますので、ルームクリーニング特約の代わりに敷金償却を設定し、 敷金償却の額を超えて賃借人の故意過失・誤った利用による原状回復工事が発生する場合は、別途支払ってもらう、 という設定が望ましいと考えます。

「乙(借主)は、本契約が終了する際、甲に預託した敷金より賃料の1ヶ月分を償却費として控除されることを予め承諾した」みたいな条文です。

ルームクリーニング特約や敷金償却を特約条項に入れていないと、賃借人の故意過失・誤った利用による汚損・破損等が認められる場合を除いて、 賃借人に対して原状回復工事費用を負担させることは出来ません。

また賃借人の故意過失・誤った利用による汚損・破損等が認められた場合でも、入居期間に応じて残存価値を減額しなければならないため、 例えば6年以上入居している賃借人に対しては、部屋の壁紙全体に落書きをされていた場合でも、1円しか請求できません。

つまり原状回復には、入居時に新しく張替えた壁紙であっても、6年経てばその価値はほぼ無くなる(減価償却)という考え方が採用されているのです。

なので今の法律では特約を付けない限り、普通に部屋を使っている賃借人に原状回復工事費用を請求するのは難しいということです。

最近の賃貸募集の傾向では敷金も礼金も取らない、いわゆる「ゼロゼロ」物件が増加しており、敷金を取らない(=減価償却ができない)契約が増えていますので、 賃貸借契約書に金額を明記した上でクリーニング特約を付けるのが良いと思います。

結論。
@敷金を設定できる賃貸エリアであれば敷金を付けて退去時に償却する「敷金償却」を特約に付ける。
A敷金ゼロにするのであればクリーニング特約を付ける。※具体的なクリーニング費用を賃貸借契約書に明記することが必要。
尚、退去時クリーニング費用は契約時に支払ってもらうことも可能ですが、借り手にとっては初期費用が増えるのでそこは考慮して決めて下さい。

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